- Googleアナリティクス4(GA4)の直帰率の計算方法が知りたい
- 従来のGoogleアナリティクス(UA)とGoogleアナリティクス4(GA4)の違いが知りたい
- 直帰率を下げるための対策が知りたい
直帰率が高いと、SEO上マイナス評価になると聞いたことがあるでしょうか?
直帰率は、従来のGoogleアナリティクス(UA)時代からサイト分析の重要な指標として使われていましたが、後継のGoogleアナリティクス4(GA4)でも実装され、今後も重要な指標として使われると予想されます。
しかし、UAとGA4では直帰率の計測方法が異なり、全く別物の指標になっています。
そこで今回は、「直帰率の概要」「UAとGA4の直帰率の違い」「UAとGA4の直帰率の計算方法」「GA4の直帰率を改善する5つの方法」について解説していきます。
ネット上には古い「直帰率」の情報が数多く残っているため、本記事で情報をアップデートしておきましょう。
直帰率とは
直帰率とは「Webサイトに訪問したユーザーのうち、何もせずにすぐ離脱した割合」を表しており、ユーザーの満足度を測る指標として使います。
例えば、Webサイトに500人のユーザーが訪れたうち、何もせずに離脱したユーザーが150人いた場合、
150 ÷ 500 =30%
と、直帰率は30%になります。
この直帰率が低いほど、何もせずに離脱したユーザーが少ないことから、直帰率の数字は0%に近い方が望ましいといえます。
GA4でも「直帰率」は計測できる
直帰率は、従来のGoogleアナリティクス(UA)から使われていた指標で、2020年10月にリリースされた後継のGoogleアナリティクス4(GA4)でも計測が可能です。
GA4のアップデートで「直帰率」が復活
「直帰率」は当初GA4に搭載されていませんでしたが、2022年6月のアップデートで復活しました。おそらく、長く親しまれた「直帰率」の復活を望む声が多く、Googleがそれに応えた形だと予想されます。
また、従来の直帰率からより正確な分析ができるようにバージョンアップしており、GA4はウェブサイトのみではなく、アプリの分析も行えるようになりました。
ユーザー行動の変化に合わせて、従来のウェブサイト中心の分析から、アプリを含めた複合的な分析が可能になっています。
【注意点】GA4とUAの「直帰率」は別物
GA4で直帰率が復活したことは、UAから使っているユーザーには朗報でしょうが、使用には注意が必要です。
UAとGA4の直帰率は、計測の仕方から異なっており、「直帰率」という同じ名前でも全く別物の指標になっています。
大抵の場合、GA4で計測される直帰率は、UAで計測される直帰率よりも低くなります。
従来のUAに慣れ親しんだ方は、直帰率の数字だけにフォーカスして、数字が大きく改善したと勘違いする可能性がありますが、それは大きな間違いです。
従来(UA)とGA4の「直帰率」の計測方法
前述のとおり、UAとGA4で直帰率の計測の仕方が異なるため、全く別物の指標です。
そこで、それぞれの計測方法について解説します。
従来のUAの計測方法は、これからWebサイト運営をはじめる方は覚える必要はありません。飛ばして読みたい方は「GA4の直帰率」をタップしてください。
従来(UA)の「直帰率」
従来のアナリティクス(UA)の直帰率は、「ユーザーが最初に訪れたページだけ訪問して離脱した割合」を表します。
GA4の直帰率と違い、最初のページだけ訪問して離脱した数値が計測されていました。
次のように計算されます。
直帰率=直帰数÷セッション数
- 直帰数=1ページだけ見て、サイトを離脱した数
- セッション数=サイトへの流入数
上記のように、「1ページのみ閲覧した=直帰した」が、UAの直帰率の概念でした。
そのため、最初に訪問したページを5秒で閉じても、ページを最初から最後まで10分熟読して離脱した場合でも、同じ直帰1として計測されていました。
GA4の「直帰率」
Googleアナリティクス4(GA4)の直帰率は、前述のとおり「Webサイトに訪問したユーザーのうち、何もせずにすぐ離脱した割合」を表します。
従来のUAから変わり、何もせずにすぐに離脱という概念に変わりました。
計算方法として、次の通りです。
直帰率 = 100% – エンゲージメント率
エンゲージメント率 = エンゲージメントのあったセッション数 ÷ セッション数
GA4から、エンゲージメント率という指標が追加され、それが直帰率を測る指標になっています。
また、「エンゲージメントのあったセッション」を判定される方法は次の3種類あり、いずれか1つでも満たせばカウントされます。
- 閲覧開始から10秒以上継続した(※)
- 2ページ以上閲覧した
- コンバージョンイベントとして設定した行動が発生した
※10秒以上のセッションは、管理画面の「セッションのタイムアウトを調整する」で時間を変更できます。
UAとの違いとして、他のページに遷移せずに離脱した場合でも、10秒以上滞在した場合は直帰として扱われなくなりました。
また、GA4にイベントとして設定した行動が実行された場合も、直帰としてカウントされません。
UAの「1ページのみ閲覧した=直帰した」という概念が、「何もせずにすぐに離脱した=直帰した」という概念に変わっています。
従来は、5秒で離脱しても、10分間ページを読み込んで離脱しても、同じ直帰1と悪い評価として扱われていました。
それを改善するために、ある程度読み込まれたページを評価するという判断で「エンゲージメント」という考え方が生まれたと想像されます。
直帰率の目安
GA4の直帰率の目安は、2022年10月段階ではデータが足りないため測りかねます。
また、直帰率は扱うブログテーマとコンテンツの役割によって異なるため、目安を出すのが難しいのが事実です。
とはいえ、UA時代の直帰率についてはCustomedialabsの調査で、個人ブログの場合は65%~90%が目安とされており、GA4では数字が落ちることは間違いないでしょう。
また、GA4になり直帰率の計測方法が変わったことで、直帰率を下げるための対策方法もUA時代とは変わっているので、次の章で紹介していきます。
GA4で「直帰率」を改善する5つの対策
GA4で直帰率を下げる方法は、次の通りです。
それぞれについて解説します。
「リード文」にターゲットと結論を書く
ユーザーは「記事タイトル」と「メタディスクリプション」の情報に興味を持ちコンテンツに訪れますが、記事で最初に読む部分がリード文です。
「記事が読まれるかどうか、8割はリード文で決まる」と言われるほど、リード文は直帰率に影響するため、直帰率を修正するだけで直帰率が改善する場合があります。
GA4では、10秒以上セッションしたら直帰としてカウントされないため、読み応えのあるリード文が書ければ直帰率は下がります。
インターネットビジネスラボも、直帰率が91%だった記事のリード文だけ修正し、直帰率が83%まで下がった事例があります。
直帰率の書き方については、「【保存版】ブログのリード文の書き方を解説!そのまま使えるテンプレートと5つのポイント」を参考にしてください。
読みやすいデザインにする
直帰率を下げるために、読みやすいデザインにしておくことも大切です。
特にモバイルフレンドリーに対応したデザイン設計をしておくことはマストです。スマホで記事を見たときに、画面一面に文字がびっしりで真っ黒だったら見る気しませんよね。
適度に画像やリスト(箇条書き)、赤文字や太文字・マーカー線などの文字装飾を入れることで、ぐっと記事が読みやすくなります。
おすすめできるWordPressテーマの大半は、赤文字や太文字・マーカー線などの文字装飾、リスト、表などの機能が搭載されているので、それを駆使してブログをデザインしましょう。
もしテーマの装飾が不十分な場合は、「Advanced Editor Tools(TinyMCE)」を入れておくと、文字装飾機能が増えてデザインに凝った記事がつくれますよ。
テキストリンクに内部リンクを貼る
記事の途中に内部リンクを貼る際は、テキストリンク(文字にリンクを貼る)がおすすめです。
WordPressテーマやプラグインによっては、ボックスのデザインのリンクを使えるものもありますが、ボックスデザインが数多く貼られている記事は読みづらく、直帰率を上げる恐れがあります。
テキストリンクは自然に記事になじむため、読者を邪魔せずに回遊させることができます。
ボックスリンクなど目立つリンクを使うのは、1記事で1・2回がベストです。
「まとめ」に関連記事の内部リンクを貼る
記事のまとめに「次に読むおすすめの記事」など、アクションを促す要素をいれると回遊率が上がります。
そもそも大切なのが、「まとめ」まで読んでくれている読者は、あなたの記事に関心を持っているという事実があります。大半の読者が途中で離脱するところ、最後までスクロールしてくれた訳なので、少なくとも無関心という訳ではありません
「まとめ」を貼るポイントは、記事と関連する記事の内部リンクを貼ることです。次に読んで欲しい記事をおすすめするように誘導するといいでしょう。
まとめの書き方については「【テンプレートあり】ブログのまとめの役割と5つのポイントを解説!」を参考にしてください。
ページ速度を速くする
スマホでページ表示するまでに3秒以上かかると、53%が離脱するというデータがあります(2018年1月18日 Pingdom調べ)。
「page speed insights」で低速と判断された場合は改善が必要ですが、大抵の場合はプラグインを使えば改善できるため、早急に改善が必要です。
ページが遅くなる原因として大抵のサイトが当てはまるのは、ページ内の画像が大きいことです。その際は「EWWW Image Optimizer」「Compress JPEG & PNG images」などのプラグインを使えば改善できます。
また、不要なリビジョンやキャッシュが原因の場合は「Optimize Database after Deleting Revisions」「WP Fastest Cache」を使うと、改善に繋がります。
「page speed insights」の見方やページ速度の改善方法について、「【プラグインだけ】ブログの表示速度を改善する方法!WordPress高速化」を参考にしてください。
まとめ
今回は、従来のアナリティクス(UA)とGoogleアナリティクス4(GA4)の直帰率の違いと計算方法について解説しました。
改めて、ポイントを振り返ります。
UAとGA4の直帰率の違い
- UA:ユーザーが最初に訪れたページだけ訪問して離脱した割合
- GA4:Webサイトに訪問したユーザーのうち、何もせずにすぐ離脱した割合
GA4の直帰率の計算方法
直帰率 = 100% – エンゲージメント率
エンゲージメント率 = エンゲージメントのあったセッション数 ÷ セッション数
また、GA4の直帰率を下げる方法は、次の通りです。
直帰率は、今後もサイト解析において重要な指標であることは間違いありません。
特にクライアントに継続して解析レポートをしているWebマーケッターは、今後もお世話になる指標だと思いますので、いまのうちに正しく使えるようにしておきましょう!