こんな方に読んで欲しい!
- コアアルゴリズムアップデートの基礎的な情報が知りたい
- コアアルゴリズムアップデートの歴史が知りたい
Googleが年に3~4回行うコアアルゴリズムアップデートですが、アップデートの度にWebサイト運営者には大きな影響があります。
この記事では、コアアルゴリズムアップデートの基本的な情報として、最近の傾向やタイミング、過去のコアアルゴリズムアップデートについて解説します。
コアアルゴリズムアップデートとは
Googleは、ユーザーにとって利便性がより高い検索エンジンを目指し、検索エンジンのアルゴリズムを定期的に見直します。
検索エンジンは、日々改良されていますが、年に2回~4回ほど大規模な見直しが行われ、それをコアアルゴリズムアップデートと呼びます。
コアアルゴリズムアップデートは、検索順位に大きな影響を与えるため、SEOマーケッターやブログ運営者から注目を集めるイベントです。
コアアルゴリズムアップデートの傾向
コアアルゴリズムアップデートが開始されると、そこから1週間から2週間は検索順位が乱高下します。
アップデートの影響で順位が下がる場合もあれば、順位が上がる可能性もあります。
しかし、最近の傾向を見てみると、個人ブログや、零細企業のWebサイトは、コアアルゴリズムアップデートで順位が下がる傾向が強くなっています。
最近のSEOは、E-A-Tの評価が重要視されているため、ドメインの権威性や信頼性が高い公的機関や、誰もが知っている企業やサービスの評価が高くなりやすい傾向にあります。
特にYMYLジャンルでは、E-A-T評価が顕著のため、名のある企業と比較して信頼性の低い個人ブログは、アップデートで順位を落とすこともあります。
さらに詳しく!
E-A-TとYMYLについては、以下の記事で詳しく解説しています。
[blogcard url=”https://iblab.net/seo-principle/”]
コアアルゴリズムアップデートのタイミング
コアアルゴリズムアップデートは、事前にGoogleから告知されます。
Twitterで「Google SearchLiaison」をフォローしておくと、コアアルゴリズムアップデートのタイミングで投稿されるので、フォローしておきましょう。
Some of our planned improvements for the June 2021 update aren’t quite ready, so we’re moving ahead with the parts that are, then we will follow with the rest with the July 2021 update. Most sites won’t notice either of these updates, as is typical with any core updates….
— Google SearchLiaison (@searchliaison) June 2, 2021
The July 2021 Core Update, previously announced, is now rolling out:https://t.co/6Xs77WDsur
— Google SearchLiaison (@searchliaison) July 1, 2021
These typically take 1-2 weeks to finish. Our guidance about such updates is here:https://t.co/e5ZQUA3RC6
Here’s more on how we improve search through updates:https://t.co/IBmInwGOiX
2020年までは年間3回のペースで行われています。
過去3年のデータからは、年前半(1~6月)の間に2回実施され、年後半(7~12月)の間に1回実施されるという傾向にあるようです。
2021年の第一弾コアアルゴリズムアップデートは、二部構成となっており、第一部が6月3日に行われ、第二部が7月2日におこなわれました。
2018年 | 3月、4月、8月 |
2019年 | 3月、6月、9月 |
2020年 | 1月、5月、12月 |
2021年 |
6月、7月 |
コアアルゴリズムアップデートの歴史
Googleは200項目以上あるアルゴリズムで、検索順位を決めているといわれています。
それらのアルゴリズムをベースにしながら設定や評価を見直し、日々アップデートを行っています。
中でも、過去影響力が大きかったアップデートを紹介します。
- 2011年 パンダアップデート
- 2012年 ペンギンアップデート
- 2013年 ハミングバードアップデート
- 2014年 パイレーツアップデート
- 2015年 モバイルフレンドリーアップデート
- 2017年 健康アップデート
- 2018年 コアアルゴリズムアップデート
- 2018年 スピードアップデート
- 2019年 BERTアップデート
- 2021年 Core Web Vitals
パンダアップデート
パンダアップデートは、低品質なコンテンツの順位を下げ、高品質なコンテンツの順位を上げる目的で行った、ランキングシステムのアップデートです。
パンダアップデート以前は、キーワードを盛り込んだコンテンツや、無断で複製されたコンテンツ、価値のないアフィリエイトコンテンツなどが軒並みランキング圏外に飛ばされました。
それ以外にも、文章が短い、誤字脱字が多い、検索クエリとマッチしていない、広告が多すぎるなどのコンテンツはペナルティの対象となります。
2011年2月にはじめてパンダアップデートは実施され、2015年の7月にパンダアップデート4.2がリリースされています。
ペンギンアップデート
ペンギン・アップデートは、スパム行為や、ウェブマスター向けガイドラインに著しく違反しているWebサイトやコンテンツを排除するアップデートです。
当時横行していた、人為的に被リンクを増やして検索エンジンをだます「ブラックハットSEO」が、ペンギンアップデートにより使えなくなる大きな影響を与えたアップデートです。
ペンギンアップデート以前は、被リンクをプログラムで機械的に増やしたり、業者から購入するなどして、偽装した被リンクを大量に持っていれば検索上位を狙えました。
ペンギンアップデートにより、このようなブラックハットSEOを行うWEBサイトは検索順位を大きく下げられたり、検索圏外に飛ばされることになりました。
ハミングバードアップデート
ハミングバードアップデートは、検索エンジンの会話型検索の能力を上げて、人と会話するような検索を可能にしたアップデートです。
ハミングバードアップデート以前は、辞書を引いているような検索方法で、例えば「東京駅 レストラン」と検索すると、その単語が含まれているコンテンツが上位表示されていました。
それがアップデート後には、「東京駅 レストラン」という単語が含まれていなくても「東京駅近くでレストランを探している」と検索意図をくみ取り、欲しい情報に近い検索結果が表示されるようになりました。
ハミングバードアップデートが導入されたことで、以前よりも検索意図に関連した自然な検索結果が表示されるようになり、ユーザビリティが大きく向上しました。
パイレーツアップデート
パイレーツアップデートは、著作権に違反したコンテンツを扱うWebサイトを排除するためのアップデートです。
デジタルミレニアム法案(DMCA)を基準とし、著作権侵害の申請が多いWebサイトはランキング圏外に飛ばされます。
著作権侵害とは、画像、動画、音楽などが挙げられます。
モバイルフレンドリーアップデート
モバイルフレンドリーアップデートは、モバイル端末(スマホ)からの閲覧に最適化しているWebサイトを評価するためのアップデートです。
現在は大半のWordPressテーマがスマホ対応されているので、特別な対応が必要な訳ではありません。
Googleの「モバイルフレンドリーテスト」を使えば、簡単にチェックできるので一度チェックしてみるといいでしょう。
健康アップデート
健康アップデートは、医療や健康に関連するコンテンツを対象としたアップデートです。
パンダアップデートやペンギンアップデートなど先ほど紹介したアップデートは、全世界が対象となっていますが、健康アップデートは日本国内のみに限定された異例のアップデートです。
ことの発端は、DeNAが運営していた「WELQ(ウェルク)」という医療キュレーションサイトといわれています。
「WELQ」には、3万5千記事ものコンテンツが掲載され、情報の多さと網羅性からGoogleから高く評価されていましたが、薬機法や医療法、健康増進法などを無視し、根拠のない記事を医者でもない素人のライターが掲載していました。
科学的根拠のない情報が上位表示されることで大問題となり、Googleは健康アップデートを行い、WELQのようなWebサイトを上位表示させない対策を行いました。
一連のWELQ問題を踏まえ、誕生したのがYMYL(Your Money Your Life)というコンセプトです。
ユーザーの健康や生命、金銭に重大な影響を与える可能性があるコンテンツは、E-A-Tを厳しく評価するとしました。
コアアルゴリズムアップデート
2018年に実施されたコアアルゴリズムアップデートは、ペンギンアップデート以後のアップデートの中ではすさまじいスケールとなりました。
健康アップデートの内容も踏まえ、YMYLに関するクエリ、金融や健康・人々の生活に密接した業界の変動がすさまじいアップデートでした。
このアップデートの直前に、Googleは「検索品質評価ガイドライン」を更改しており、YMYLを重視した新たな時代が始まったと言われています。
スピードアップデート
コアアルゴリズムアップデートと同年7月にスピードアップデートが行われました。
アップデートの影響を受けるページは、表示が「極端に」遅いとユーザーが感じるようなページに限るとされ、「page speed insights」で低速評価とされるWebサイトは改善すべきでしょう。
さらに詳しく!
「page speed insights」の使い方はこちらの記事で解説しています。
[blogcard url=”https://iblab.net/highspeed/”]
BERTアップデート
BERT(バート)アップデートとは、検索クエリのニュアンスや文脈を理解して、関連性の高い検索結果を表示するためのアップデートです。ハミングバードアップデートの進化系ととらえるとわかりやすいです。
ハミングバードも会話型検索を特徴としていましたが、複数の意味をもつ単語で構成された文章型のクエリは正しく理解できていませんでした。
BERTアップデートより、ユーザビリティがより高くなりました。
Core Web Vitals
Core Web Vitals(コアウェブバイタル)は、Webページのユーザー体験(UX)の向上を目指して導入されたアップデートです。
従来はコンテンツの良し悪しが検索順位に影響を与えていましたが、コアウェブバイタルアップデートの導入でユーザー体験という新しい概念が追加されました。
Core Web Vitals(コアウェブバイタル)で、重視されるのはページ速度です。中でも重要なのは「LCP」「FID」「CLS」の3つです。
LCP | メインコンテンツが読み込まれるまでの時間 |
FID | ユーザーが最初に行ったアクションに対してブラウザが反応するまでの時間 |
CLS | 意図せぬレイアウトのズレが発生した度合い |
まとめ
コアアルゴリズムアップデートは、その都度検索順位に大きな影響を与えます。
どのアップデートをみても、ユーザーファーストであることは間違いなく、今後のアップデートもユーザーにとって利便性が高まるようなアップデートがされていくと想定されます。
ブログ運営者に求められるのは、裏技を使って順位を上げるのではなく、全うに良いコンテンツを作ることなのです。