こんな方に読んで欲しい!
- FTPソフトの導入、設定、使用方法を知りたい!
- WordPressのWebサイトが表示されなくなってしまったので、復旧方法を知りたい!
- WordPressにログインもできない!
WordPressでWebサイトを運用していて、レンタルサーバーなどに直接ファイルを置くことはほとんどありません。
WordPressの管理画面上で、「テーマのアップロード」や「プラグインのアップロード」、ファイルの編集なども行うことができるからです。
では、管理画面が使えなくなったらどうしますか?
WordPressでは、ファイルの編集をミスしたり、追加したテーマやプラグインが既存のプラグインと競合するなどした場合、管理画面が使えなくなってしまう(ログイン画面すら表示されなくなってしまう)可能性はあります。
そんな時はFTPソフトを使って、サーバーの中のファイルを直接編集して復旧することになります。
今回の記事では無料で使えるFTPソフトの1つ「WinSCP」の導入、設定、使い方を徹底解説します!
1. FTPソフトってなに?
FTPは「File Transfer Protocol(ファイル トランスファー プロトコル)」の略です。日本語で書くと「ファイル転送プロトコル」ですね。
さらに詳しく!
プロトコルとは、コンピューター同士が通信をする時の約束事です。人間でいう「言葉」だと思ってください。例えば、片方がフランス語、片方がドイツ語で話しても会話は成立しません。同じ言葉で話すことで会話は成立します。
これと同じように、ファイル転送においては「FTP(File Transfer Protocol)」を使うことで通信を行うことができるわけです。
このFTPを使ってファイルの送受信を行うソフトウェアを「FTPソフトウェア」または「FTPクライアント」などと呼びます。
2. FTPソフト「WinSCP」の導入
今回は、WordPress専用のレンタルサーバー「wpX Speed」を例に、サーバー側の設定、WinSCPのダウンロード、インストール、ID等の設定まで解説します。
2-1. サーバー側のFTP設定を変更し、情報を取得する
FTPソフトを使う際、FTPでサーバーにアクセスすることを事前にサーバー側で設定する必要があります。
以下のページを表示し、ログインしてください。
[blogcard url=”https://secure.wpx.ne.jp/login/member.php”]
ログインできたら、左メニューの「WordPress設定」から該当のドメイン名(「〇〇〇〇.com」など)を選択します。
右の画面が切り替わったら、「FTP設定 > FTPアカウント設定」の「設定」ボタンをクリックします。
初期設定ではステータスが「OFF」になっているはずです。メニューの「設定変更」ボタンをクリックします。
「FTPアカウント設定」の画面が開いたら、特に設定を変更する必要はありません。そのまま「設定変更(確認)」ボタンをクリックします。
さらに詳しく!
「全てのファイル・フォルダにアクセスする」のチェックは、通常はチェックを入れなくてOKです。真っ白画面の原因となる可能性がある「テーマ」や「プラグイン」のフォルダは、チェックを入れなくても操作することができます。
パスワードが自動で設定され「*******」のように表示されます。この画面では確認できませんので、「設定編集(確定)」をクリックして確定します。
「設定編集(確定)」ボタンをクリックすると、設定された「パスワード」が表示されます。これらはFTPソフトウェアでログインする時に使いますので、忘れないようにメモを取ってください。
2-2. FTPソフト「WinSCP」をダウンロードする
「WinSCP」をダウンロードします。以下のページを開き、「フリーソフト」と書かれた方の「窓の杜からダウンロード」ボタンをクリックします。
[blogcard url=”https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/winscp/”]
画面が切り替わると自動的にダウンロードが始まります。Google Chrome の場合は、矢印の位置にダウンロード中のファイル名が表示されますので確認してください。
ここがポイント!
ダウンロードが始まらない場合は、上部のファイル名をクリックしてください。
設定を変更していなければ、「ダウンロードフォルダ」に保存されます。
(今回の記事では、わかりやすいようにデスクトップに保存しています。)
2-3. FTPソフト「WinSCP」をインストールする
ダウンロードしたファイルをダブルクリックし、インストールを行います。
ダブルクリックすると、以下のような画面が表示されますので、「はい」を選択します。
使用許諾契約書が表示されますので、「許諾」ボタンをクリックします。
セットアップ形式を選択します。「標準的なインストール」が選択されていますので、そのまま「次へ」ボタンをクリックします。
さらに詳しく!
インストール準備完了の画面が表示されますので、「インストール」ボタンをクリックします。
インストール状況が表示されます。軽いソフトですので、10秒くらいでインストールが完了します。(パソコンのスペックにより多少、前後します。)
完了すると自動的に画面が切り替わります。
WinSCPセットアップウィザードの完了画面が表示されますので、「完了」ボタンをクリックして完了します。
ここがポイント!
3. FTPソフト「WinSCP」の設定
デスクトップにWinSCPのアイコンが表示されますので、ダブルクリックで起動しましょう。
起動すると以下のような画面が開きますので、①~⑤を入力し、保存ボタンをクリックします。
① 転送プロトコル:「FTP」を選んでください。
② 暗号化:「明示的な TLS/SSL 暗号化」を選択してください。
③ ホスト名:「サーバーID.wp-x.jp」のように入力してください。(例)xsample.wp-x.jp
④ ユーザ名:対象となる「ドメイン名」を入力してください。
⑤ パスワード:「FTPアカウント設定」でメモしたパスワードを入力します。
保存ボタンをクリックすると以下のような画面に切り替わります。
「セッションの保存名」は、なんでも構いません。ドメイン名にしておくとわかりやすいでしょう。入力後、「OK」ボタンをクリックします。
ここがポイント!
「パスワードを保存(推奨されません)」という項目があります。パスワードを保存することで簡単にログインできるようになります。しかし、セキュリティ的には弱くなります。
例えば、パソコンを誰かに乗っ取られる状況になると、サーバー側も乗っ取られてしまう可能性はあります。利便性とセキュリティの両立は難しいですね。
WinSCPがサーバーに接続しようとします。(パスワードなどに間違いがあると、エラー画面が表示されます)
正常に接続できると、以下のような画面が表示されます。
左側には、あなたのパソコンのフォルダが表示されます。右側には、サーバー側のフォルダ(ディレクトリ)が表示されます。
これで設定は完了です!
4. FTPソフト「WinSCP」の基本的な使い方
WordPress関係でFTPソフト「WinSCP」を使うとすれば、
- あなたのパソコンのファイルを、サーバーにアップロードする
- サーバー側のファイルを、あなたのパソコンにダウンロードする
- サーバー側のファイル名やフォルダ名を変更する
の3つの動作が基本となります。
4-1. あなたのパソコンのファイルを、サーバーにアップロードする
まず、「WinSCP」の左側に表示されているあなたのパソコン側で、アップロードしたいファイルのあるフォルダを開きます。
次に、「WinSCP」の右側に表示されているサーバー側で、アップロードフォルダを開きます。
対象のファイルを、あなたのパソコン側からサーバ側へ、ドラッグ & ドロップで移動させましょう。
4-2. サーバー側のファイルを、あなたのパソコンのにダウンロードする
まず、「WinSCP」の右側に表示されているサーバー側で、ダウンロードしたいファイルのあるフォルダを開きます。
次に、「WinSCP」の左側に表示されているあなたのパソコン側で、ダウンロードしたファイルを置くフォルダを開きます。
対象のファイルを、サーバ側からあなたのパソコン側へ、ドラッグ & ドロップで移動させましょう。
4-3.サーバー側のファイル名やフォルダ名を変更する
「WinSCP」の右側に表示されているサーバー側で、名称を変更したいフォルダのある場所を開きます。
左クリックするとメニューが表示されますので、「名前の変更」を選択してください。
ファイル名が編集できるようになりますので、新しい名前を入力し、エンターキーで確定します。
さらに詳しく!
例えばWordPressの画面が真っ白になってしまった場合で、直前にプラグインを追加した場合、そのプラグインと何かが競合してしまった可能性があります。
この場合は、「plugins」フォルダを「plugins_bak」などに変更(リネーム)し、一時的にプラグインを無効化して、WordPressの管理画面が表示されるかどうを確認します。
5. まとめ
WordPressは、基本的には管理画面で必要な操作を行うことができるのですが、その管理画面が表示されなくなってしまった場合は、サーバー側のファイルやフォルダ(ディレクトリ)を直接操作する必要があります。
そんな時に使うのが、無料で使えるファイル転送ソフトウェア「WinSCP」です。
見慣れない画面ではありますが、簡単な手順で導入から操作までできますので、WordPressに何かあった場合に備えて準備しておきましょう。