- 会員限定のWebサイトやブログを構築したい!
- 特定のクライアント限定で一般の人には公開しない情報を共有・公開したい!
- プラグイン「WP-Members」の使い方が知りたい!
会員やクライアントさんだけに公開したい記事があるんだよね。できる?
と相談いただくことがあります。
WordPressでは、カテゴリー自体にパスワードをかける方法とは別に、登録されたユーザーにだけ記事を公開できるようにする方法があります。
その中でもっとも簡単な方法は、WordPressプラグイン「WP-Members」を使う方法です。
今回は、「WP-Members」の設定方法から使い方までを紹介していきます。
プラグイン「WP-Members」のメリット・デメリット
「WP-Members」を使えば、本格的な会員限定サイトがわずか10分で作れます。主な機能は、下記のとおりです。
- ログインしていないユーザーからのアクセスには、記事の一部だけを表示する
- 抜粋記事の下にログインまたはユーザー登録を促すメッセージを表示する
- 既存ユーザー用のログインフォームを表示する
- パスワードを忘れた場合のパスワードリセットリンクを表示する
- 新規ユーザー登録フォームを表示する
- 新規ユーザーには認証用のメールを送付する
プラグイン「WP-Members」のメリット
「WP-Members」は企業サイトなどでも導入されているプラグインで、主なメリットは下記のとおりです。
- 会員限定のサイトやブログが作れる
- 自分の実績を、限定したクライアントにのみ公開することができる
プラグイン「WP-Members」のデメリット
「WP-Members」のメリットをいくつか書きましたが、当然デメリットもあります。
- レンタルサーバーによっては利用できない場合がある
- ユーザーごとに見られる範囲を個別で設定できない
- 完全非公開のwebサイトの構築は、別のプラグインを使うべき
デメリットの1つ目について、特に無料サーバーの一部でWP-Membersでログインできない不具合が発生します。
無料サーバーを使う場合はインストールしたらまずは動作確認をしてください。低価格で使いやすいXserver(エックスサーバー)は、動作確認できています。
デメリットの3つ目について、Webサイト全体にパスワードはかけられません。Webサイト自体は誰でも閲覧できるので、サイトの全体像や記事タイトルは、会員以外にも見られてしまいます。
完全に非公開のWebサイトを作る場合は、「Password Protected」など、ブログ全体にパスワードがかけられるプラグインが必要です。
WP-Membersの導入方法
「WP-Members」はWordPress公式プラグインなので、WordPress管理画面>プラグイン>新規追加 から無料で簡単にインストールできます。
右側のキーワード検索テキストボックスで「WP-Members」と検索するとヒットしますので、「今すぐインストール」をクリックし、有効化します。
インストール済みプラグイン一覧に「WP-Members」が表示されていれば、インストールは完了です。
WP-Membersの設定
「WP-Members」をインストールしたら、いくつか設定や準備を行いましょう!
「WP-Members」の設定は、WordPress管理画面>設定>WP-Members から行うことになります。
- WP-Members オプション… WP-Membersの一般的な設定を行う項目
- フィールド …. 新規登録にユーザーが登録する情報の内容を決める項目
- ダイアログ … ユーザーのアクションによって表示されるメッセージを編集する項目
- メール … 認証やパスワードリセット時に送られるメール本文を編集する項目
WP-Membersオプション
「WP-Members オプション」タブの項目についてです。
これから「ブロック」という言葉がたくさん出てきますが、「会員にのみ見せる(一般には公開しない)」という意味だと思ってください。
内容
- 内容をブロック … 投稿と固定ページ別に、ブロックすることができます。ブロックすると会員のみ記事が読めるようになります。記事編集画面から記事ごと、固定ページごとにブロックを外す(つまり一般に公開する)ことができます。
- 抜粋を表示 … この項目にチェックすると、会員以外の方が見た時、「抜粋」に入力した文字のみ表示されます。一般の方に会員登録をしていただくことを目的としている場合、抜粋を見せることにより会員登録の訴求に効果的です。(ただし、2020年4月時点ではなぜか本文が表示されてしまいます。)
- ログインフォームを表示 … チェックすると、未ログインの場合にログインフォームを表示します。
- 登録フォームを表示 … チェックすると、未ログインの場合に新規会員の登録フォームを表示します。
- 自動抜粋 … 本文の最初から指定された文字数を抜き出し表示します。
ブロックすると、次の画像のように設定できます。
会員登録してログインすれば、全文が見えるようになります。
その他の設定
- 管理者に通知 …. チェックするとユーザーが登録されるたびに管理者あてにメールで通知されます。
- 承認登録 … チェックすると管理者が承認しない限り、ユーザー登録が完了しません。
- 警告メッセージを表示しない … チェックするとWordPressの設定がWP-Membersの推奨設定でない場合の警告メッセージが消えます。
固定ページ
「WP-Members」が自動生成する各種リンクの移動先を指定します。移動先は自作した固定ページから選択します。
- ログインページ
- 登録ページ … ユーザーの新規登録
- ユーザープロフィールページ … ユーザー情報の変更やパスワードの変更
フィールド
ユーザー登録に使用する項目の表示や編集、新規作成が可能です。下記はフィールドの主な役割です。
- ラベルを表示 … ユーザー登録画面に表示される項目名です
- メタキー … ショートコードとしてメールやダイアログに挿入できます
- 表示…チェックを入れると「入力項目」として表示されます
- Required … チェックを入れるとその項目が必須項目となります
フィールドの編集
各項目一覧の右側の「編集」と書かれたリンクからフィールドの編集ができ、ラベル名などを変えることができます。
フィールドの追加
画面上部(もしくは下部)にある「フィールドの追加」ボタンをクリックすると、新しいフィールド(項目)が追加できます。
ダイアログ
ダイアログの初期設定は英語で書かれていますが、プラグインの翻訳機能により、実際の画面では日本語で表示されます。ただし、1文字でも書き換えてしまうと、ダイヤログの英語がそのまま表示されてしまいます。(完全一致で翻訳しています。)
変更する場合は英語を消してすべて日本語で書き換えましょう。
メール
メールの設定については下記の通りです。
カスタムメールアドレス、送信者の名前
WordPressからメールを送る場合「WordPress@ドメイン名」のアドレスから送られますが、カスタムメールアドレス欄に入力すると、送信元メールアドレスを自由に変更することが可能です。送信者の名前も同様です。
本文(メール本文の編集)
ショートコードを使って、送信するメールの内容が編集可能です。主なショートコードは次の通りです。
- [blogname] .. [設定]> [全般]で指定したサイトタイトル
- [username] … ユーザーが登録したユーザー名
- [password] … ユーザーが登録したパスワード
- [reglink] … ユーザーが登録したページへのリンク
- [user-profile] … 登録情報を更新できるユーザープロファイルへのリンク
- [register] … 登録ページへのリンク
- [login] … ログインページへのリンク
プラグイン「WP-Members」の使い方
個別のページに閲覧制限のかかったブログを作るだけなら、以下の手順で必要な固定ページを作り、限定記事を設定するだけなので、非常に簡単です。
固定ページを作成
実用例で作った固定ページは下記の3つです。最低限これだけは作る必要があります。
- ログインページ
- 登録ページ
- ユーザープロフィールページ
固定ページ > 新規作成 から、以下の項目を変更して保存します。
- タイトルを記入 … わかりやすい名前を付けます(例:ログインページ)
- 本文を記入 … WP-Membersのショートコードを貼り付けます。
- スラッグを変更 … 英単語でわかりやすいもの(例: logins)
固定ページをWP-Membersに登録
固定ページができたら、WordPress管理画面>設定>WP-Members>オプション設定 で、先ほど挙げた3つの固定ページをそれぞれ登録します。
固定ページに使うショートコード
固定ページの作成は、ショートコードを一文記入するだけで完了します。下記はページ別のショートコード一覧です。
- ログインページ: [wpmem_form login]
- 登録ページ:[wpmem_form register]
- ユーザープロフィール: [wpmem_profile]
- 登録情報を編集: [wpmem_form user_edit]
- パスワードの変更とリセット: [wpmem_form password]
- ユーザー名を忘れた場合: [wpmem_form forgot_username]
- 利用規約: [wpmem_tos url=”http://yoursite.com/your-tos-page”]
会員限定の記事を選択
「WP-Members」の初期設定では記事全体がロックされていて、投稿一覧の右側に新たにできたロックマークから確認できます。
限定記事の解除
ロックされている記事を誰でも読めるようにするためには、設定画面でブロックを解除するか、記事の編集画面から個別にブロックを解除します。
設定画面で解除するには、WordPress管理画面>MP-Members>WP-Membersオプション「内容をブロック」の項目で「ブロックしない」を選択します。
記事ごとにブロックを解除するには、記事の編集画面の右側メニュー>投稿制限 の項目を「Unblocked」に変更します。
抜粋記事の設定
記事の抜粋記事をブロック画面に表示するには、「WP-Members」の設定画面で「抜粋記事を表示」と「自動抜粋」にチェックを入れて、抜粋の文字数を入力します。
まとめ
「WP-Members」を使えば、簡単な会員限定サイトなら10分程度で作れますし、作り込めば更に高度な会員限定サイトが構築できます。
「WP-Members」はWordPress公式プラグインなので導入が簡単で、しかも無料で使えます。
クライアント限定、会員限定などのサイト運営を考えているのであれば「WP-Members」を使ってみてはいかがでしょうか?