こんな悩みをお持ちではないですか?
- 起業したい!だけど、起業の仕方がわからない
- 起業したい!だけど、成功する気がしない
- 起業したい!だけど、失敗するのが怖い
- 起業したい!ので、今すべきことを知りたい
起業したいですか?
起業とは、あなたにとってなんですか?
と聞かれて、10年先を見据えて迷いなく答えられたらば、この記事を読む必要はないかもしれません。さくっと閉じて起業の準備を進めましょう。
もしあたなが今、答えに迷ったら「起業とはなにか?」を一緒に考えてみましょう!起業の意味を考え、自分の中で整理しておくだけで、失敗する確率は格段に下がります。
この記事では「起業とは何か?」について徹底的に解説します。
もくじ
1. 辞書に書いてある「起業」
「起業」と一言で言っても、実は人によって意味するところは大きく違います。
まずは、辞書に書いてある「起業」を確認しましょう。
[名](スル)新しく事業を始めること。
[用法]「創業」「起業」ともに古くからあり、意味の違いはない。ただ、「ベンチャー起業」のように「従来にない新種の事業を起こす」意に使うのは最近である。「起業家」という場合には、新事業を起こした人の意のほかに、新事業を起こす専門家という意もある。
引用元:コトバンク(デジタル大辞泉)
辞書によれば、起業とは「新しく事業を始めること。」なんですね。
では「事業」とはなんでしょうか。
1、生産・営利などの一定の目的を持って継続的に、組織・会社・商店などを経営する仕事。「事業に手を出す」
2、大きく社会に貢献するような仕事。「宇宙開発事業」「慈善事業」
引用元:コトバンク(デジタル大辞泉)
この2つの言葉をまとめて考えると、
【 起業とは? 】
生産・営利などの一定の目的を持って継続的に、組織・会社・商店などを経営する仕事を新しく始めること。
ということになります。
2. 戦後から平成中期までの「起業」の意味
「会社に所属し、定年まで働くこと」つまり終身雇用が、言うならば「日本的な雇用」です。
戦後から平成中期までは、ある1つの会社でフルタイムで働くことで生活の安定と継続雇用が約束されていたので、「副業したい!」や「独立したい!」、「起業したい!」という考えを持つ人が今よりもずっと少ない時代でした。
副業という考え方が一般的ではなかったので、この時代に「起業」することは、そこで行う事業が「本業」となり、
- 会社員として得ていた安定した生活と継続雇用を全て捨て
- リスクを全て自分で引き受け
- 裸一貫で荒波に飛び込む覚悟で始め
- たった数%だけが成功する
という、ギャンブルと言っても過言ではない行為でした。
会社を作るにしても、会社法が2006年に改正するまでは「株式会社は1,000万円、有限会社は300万円」の資本金が必要とされていましたので、資金面でもハードルが高く、簡単にできることではなかったのです。
戦後から平成中期まではこのような社会でしたので、起業とは「会社を辞めること」「自分で事業を立ち上げ、それを本業とすること」という意味を持ち、その人の状況により「会社を作ること」という意味が含まれる場合もありました。
この時代の「起業」のハードルはかなり高く、言葉の意味自体もかなり重いものですね。
3. 平成後期からの「起業」の意味
トヨタ自動車の社長さんが、
「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」
2019年5月13日の日本自動車工業会におけるトヨタ自動車の豊田章男社長の発言(引用:日経ビジネス)
と発言したことはニュースにもなり記憶に新しいと思います。
あの売上高30.23兆円というトヨタ自動車ですらそんな状況です。まず、終身雇用制度はすでに崩壊したとみて良いでしょう。
またここ数年で「副業」が解禁される会社も少しずつ増えていて、会社からの給料以外にも収入源を作ることができるようになりました。
エン・ジャパンが実施したアンケート調査では、
中小企業の25%が副業を容認している。また現在禁止している会社65%のうち、39%は容認を検討している。
という結果が出ています。
この「副業」という考え方が大きく躍進した背景には、インターネットの普及と高速化、またスマホの普及によるインターネットの使い勝手の向上があります。
副業の1つに「アフィリエイト」がありますが、これは最低限で考えれば、ネットにつながるスマホがあればできます。
他にもネットにつながるスマホがあれば、
- メルカリなどのフリマサービスでの販売
- ヤフオクなどのオークションサービスでの販売
- せどり(価格調査と出品)
- FX、株などの投資
など、ここには一部しか書きませんが、ネットやスマホが無かった時代にはあり得なかった「副業」が簡単に気軽に手軽に手のひらの上で行うことができるようになりました。
インターネットという匿名で動くことができる場所がベースになっていることでさらに加速し、現在に至っています。
さらに詳しく!
副業については、こちらの記事で詳しく解説しています。
3-1. 「起業」とは、会社を作ることではない。
さて、最初に書いた辞書を基にした「起業とは?」を思い出してみましょう。
【 起業とは? 】
生産・営利などの一定の目的を持って継続的に、組織・会社・商店などを経営する仕事を新しく始めること。
「会社を作ること」イコール「起業」ではないわけです。
「組織・会社・商店などを経営する」のは手段であって、「営利などの一定の目的を持って継続的に」が言葉の意味としての目的。
営利とは、もっと砕けた言い方をすれば「利益を得ることを目的としている」つまり「お金儲け」です。
「お金儲けを目的に継続的に行う」ことが起業であれば、副業も起業の1つと考えて違和感はありません。
平成中期までの「起業」という言葉の重い意味に踊らされ、「起業」すること自体をステータスとする考え方は、この令和の時代には合わないものです。
今の時代、起業はごく身近なものであり、誰でも始められます。

と思った方、わかります。「起業したぜ!」と友達に言いたいですよね。
言えるか言えないかは、単に規模の問題だということを知っておいてください。
もし月に1万円程度の収入の副業を「起業した」と言えないのであれば、同じ副業で月に10万円だったら起業したと言えるでしょうか?100万円だったらどうでしょうか?
月に100万円であれば、1年で1,200万円。税金のことを考えると、節税のため法人化を検討するレベルです。
コンスタントに月に100万円の収入があれば、節税を目的に会社を作ったり、作業を外注したり、もしかしたら自分の代わりとして社員を雇うことも考えられます。
ここまでいったら、起業したと言えますか?
現代においては、単に規模の問題なのです。
4. あなたの考える、起業とは?
ここまで読んで、「起業したい!」と考えている、あなたにとっての「起業」をもう一度、考えて下さい。
その言葉の意味は時代によって違い、人によって違い、もちろん辞書とも違うことは往々にしてあり得ます。
4-1. あなたの考える起業が、「月に1万円でも継続的に利益を出すこと」である場合
起業はごく身近なものであり、ハードルは無いも同然。
今の仕事と平行して始めましょう。というか、月に1万円では食費にもなりませんので、今の仕事を辞めてはいけません。規模が大きくなるまでは副業として継続しましょう。
そしてこの記事を読み終わったら、すぐに始めてみましょう。
4-2. あなたの考える起業が、「月に100万円の収入を得ること」である場合
どんな「お金儲け」の方法であっても、なかなかに月100万円のハードルは高いです。
例えば物販の場合、1個売って1,000円の利益が出るとすれば、それを1,000個売らなければなりません。月額500円のwebサービスなら、2,000人が登録しないと達しません。
今、何か商材がすでにあり大量に売れる販路もあれば話しは別ですが、基本的にはいきなり月100万円は達成できませんので、小さなことからコツコツと始め、広げていく必要があります。
始めてからある程度の期間は、収入が安定しなかったり、生活に必要なお金分を稼げない可能性が十分にあるので、やはり今の仕事を辞めてはいけません。
並行して始め、少しずつ大きくしていきましょう。
4-3. あなたの考える起業が、「会社を作ること」である場合
株式会社は、30万円くらいあれば簡単に作れます。合同会社はもっと安いです。
必要な事務処理を丸投げできるサービスがあるので、受け取った書類を法務局に提出するだけで作れたりもします。
ところで、会社を作る時に「会社にとっての憲法」とも言われる「定款」を作る必要があります。
定款とは会社の憲法にあたるもので、会社の設立手続き上、必ず作成しなければならない書類の一つです。
会社法は、会社の運営につき定款自治を謳っています。つまり、定款を作成するということは、これから設立する会社の根本規則(最も重要な決まりごと)を策定することを意味します。
この定款に目的(この会社で事業内容)を書く必要があり、ここに書いている事業内容以外は、行ってはいけない決まりです。
さて、なんと書きますか?
「会社を作ること」=「起業」と考えると、実は無理が生じます。
定款に適当な目的(事業内容)を書いて取り繕っても、あとで歪みが生まれます。
また、「会社を作ること」=「起業」と考える場合、会社が登記された時点で目的を達してしまうことになります。「起業したい!」という気持ちが満たされてしまったら、次はどうしますか?
起業を「会社を作ること」と考えている方は、「会社を作ること」は手段であり、起業の目的にしてはいけないと知っておいてください。
そしてまずは、本当の目的を考えましょう。
5. まとめ
今回は、「起業」という言葉の意味を考えてみました。
言葉の意味・捉え方は、時代や環境、またはその人の状況により大きく変わります。「会社を作ること=起業」のようにズレた意味で捉えていると、のちのち失敗する可能性を押し上げてしまう要因にもなります。
「起業したい!」と考えているのであれば、まずはその言葉の意味をぜひもう1度考えてみてください。
そして、誰かに説明することを想定して、自分の中で「起業とは」の答えを作っておきましょう。