こんな方に読んで欲しい!
- こだわりの逸品を紹介したい!
- こだわりの逸品を自分のショップで販売したい!
- 趣味で作った作品を売ってみたい!
例えば、あなたが北欧のおもちゃに精通していたとします。
北欧のおもちゃのことなら、どれだけでも語れます。「素晴らしいこのおもちゃを日本で広めたい!いや、世界に広めたい!」
そんな時、どうやって広めますか?
物を売るお店を一般的に「物販店(ぶっぱんてん)」と呼びます。
物販店を開業する方法は、1990年代前半までは「実店舗を出す」という選択肢しかありませんでした。
しかし、インターネットが急速に普及し、1995年にソフマップ、1996年にタワーレコードがネットショップを開設し、そして1997年にはECモールである楽天市場がオープンし、「ネットで物を売る」という選択肢が確立されました。
現代では、大きく分けて、
- 実店舗を出す
- ネットショップを出す
の2つの方法があります。
今回の記事はネットショップに焦点を当て、メリットや運営方法について徹底解説します!
1. ネットショップを営むメリット
実店舗と比べてネットショップは、「出店準備の時間が大幅に短縮される」「初期費用が少なくて済む」という超特大のメリットが2つあります。
その他にも、
- 年中無休で営業できる
- 日本全国、もっと言えば世界を相手に広めることができる
- 固定費を安く抑えることができる
- 現金を扱わなくて良い
などのメリットがあります。
1-1. 出店準備の時間が大幅に短縮される
実店舗を開業するには、
- 開業資金の貯蓄、借入
- 店舗要件(場所、賃料、広さ、階数、見た目、築年数、造作の可否など)をまとめる
- 場所探し(上記要件に当てはまる物件探し)
- 契約
- 内装、造作の工事
- (必要に応じ)許認可の申請
- 什器の搬入
- 商品の発注、在庫を置く場所の確保、値付け、陳列
- 広告・宣伝
など、さまざまな「やること」をクリアする必要があり、たくさんのお金と時間がかかります。開業を決意してから3カ月で開業できればかなり速い方で、長引くと半年から1年以上かかる場合もあります。
これに対しネットショップは、使うシステムにもよりますが、最短で契約直後から自分のショップを持つことができます。
- ネットショップのシステムを決める
- Webページのデザインを決める
- 商品の登録(表示名、画像、値段)
- 商品のこだわりポイントを書き込む
ざっと書きましたが、これだけで出店することができるのです。
やり方によっては在庫を持つ必要のない、超お手軽な方法もあります。
1-2. 初期費用が少なくて済む
ネットショップは、最安0円で出店することができます。
ネットショップのシステムは複数社が提供していて、その中に「初期費用0円」「月額利用料0円」のシステムもあります。

はい、その感覚は正解です。
売上が上がる前にお金を出してはマイナスになります。それは商売を行う上で基本的に避けなければなりません。売れたら売り上げから手数料が引かれますが、最初から手数料を考慮して値付けをすればマイナスになることはありません。
手数料に関してはサービスによって異なりますが、だいたいの売り上げの1割くらいです。
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仕入れ値が1,000円の商品があり、利益を1,000円取りたい場合、売値を(1,000円+1,000円)×110%=2,200円 にすれば、手数料は220円となるので利益は980円となり、だいたい想定通りの利益を得られますね。
ただし、それが実際に売れる値段かどうか、競合調査なども行いながら慎重に決める必要があります。

手数料を取られたくない場合には、自分でECサイトを立ち上げることもできます。ただ、
- あなたの技術力(WordPress、html、CSS、デザイン力など)に大きく影響される
- ネットショップのシステムを使う方法に比べ、準備にかなり時間がかかる
- ECモール(楽天市場等)のメリットを受けられない
ことを覚えておいてください。売上がある程度上がってから、自分のECサイトに移行(もうしくは両方利用)するのもアリですね!
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ECサイトとは、「electronic commerce」の略で、インターネット上のショッピングサイトのことです。
サーバーを借りて自身でサイトを立ち上げることで、全てをご自身で管理しなければならない分、手数料を節約することが可能となります!
1-3. 年中無休で営業できる
インターネット総合ショッピングモール「Qoo10」を運営するeBay Japan合同会社の調査では、以下のような結果が出ています。
ネットショッピングを行うことが多い曜日 : 金曜日(35.1%)、土曜日(68.1%)、日曜日(62.9%)
ネットショッピングを行うこと多い時間帯 : 20~23時(54.5%)、16~19時(21.3%)
※ネットショッピングに関する調査 2019年8月(サンプル数500)
こんな曜日・時間でも、もちろんインターネット上の店舗は営業中です。一度、きちんとネットショップを立ち上げれば、24時間365日年中無休で営業できます。
購入された時には、次にあなたが行うべきことを、システムがブラウザ上に表示してくれるので、迷うことや忘れることもありません。もちろん発送業務は、あなたが決めた「営業日・営業時間」に行えばOK。無理する必要はありません!
ここに注意!
ネットショップは年中無休ですが、それを提供するシステムは定期・不定期のメンテナンスが入ることがあります。メンテナンスはだいたい夜中に行われますが、必要に応じてあなたもお客さまに周知するようにしましょう。
1-4. 日本全国、もっと言えば世界を相手に広めることができる
実店舗の場合、「商圏」の設定が重要になります。
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商圏とは、お店に来るお客さまが住んでいる範囲のことです。
例えば、コンビニは「半径500m以内の徒歩圏」が商圏と言われています。時間にして徒歩5分くらいですね。
スーパーは「半径3~5km」で、自転車や自動車での来店割合が多くなります。
品揃えが充実した大型店舗は商圏範囲がもっと広がり、地方のイオンモールなどは「商圏を半径50km程度」に設定している店舗もあります。
あなたが実店舗で、
- 何を扱うか
- どのくらいの数や量を扱うか
- 店舗面積
- 同じような物を扱う同業他社と差別化できているか
など、いろいろな要件で商圏を決めることになりますが、全国からあなたの実店舗にお客さまが殺到するなんてことは、まずあり得ません。
ネットショップの最大の魅力は、日本全国、もっと言えば世界を相手にビジネスを展開できることです。
ネットの世界で距離は関係ありません。商圏も関係ありません。言葉の壁をクリアしさえすれば、少し大げさですが、あなたは全世界のインターネットユーザ44億人を相手に商売ができることになります。
1-5. 固定費を安く抑えることができる
実店舗を運営する場合、「固定費(毎月必ずかかるお金)」があります。
- 家賃
- 水道光熱費
- インターネット接続費 など
売上が上がるかどうかとは関係なく、必ず支払う必要があります。家賃は場所や広さで大きく変わりますが、数万円から数十万円はかかるでしょう。
これに対しネットショップは、システム利用料(もしくはレンタルサーバ代)だけです。在庫は自宅の端にでも置いておけば、家賃もかかりません。固定費を安く抑えられれば、失敗する可能性も大きく下がります。
この点は大きなメリットですね。
1-6. 現金を扱わなくて良い
貨幣の登場以降の世の中では、「現金でのやりとり」が当然でした。
「物とお金をその場で交換する」最も信頼できる取引方法ではあります。
ただ、現金でのやりとりは現代においては「面倒くさい」ことだと覚えておいてください。
まず、定期的におつりを準備しなければなりません。銀行によりますが、両替手数料がかかることもあります。受け取った現金は銀行口座に入金しますが、入金にも手数料がかかることがあります。
少なくとも1日に1回、レジ締めを行うことになります。レジにある現金と予定金額が合わない場合は、その原因を追求することに時間がかかります。
これらをあなたが行うとしたら、いったい何時間かかるでしょうか?その人件費、無駄ではありませんか?
ネットショップはクレジットカード決済が主流です。コンビニ決済や代引きが選択された場合も、あなたが現金を扱うことはありません。
2. ネットショップを開設し、運営する方法
ネットショップを開設するにあたり、決めること、やるべきことがあります。
2-1. どんな商品を扱うかを決める
あなたが「ネットショップを作りたい!」と思ったとすれば、すでにネットショップで扱いたい商品(惚れ込んだ商品、もしくはあなたのハンドメイド商品など)などがあると思います。
この記事の最初に出てきた「北欧のおもちゃ」を例にすると、コンセプトはそのまま「北欧のおもちゃ」となるでしょう。
「北欧のおもちゃ」と聞いただけで、
- 木の温かみを感じるおもちゃ
- 原色系の色使い
- 電池や電気を利用しない、自然の摂理を学べるおもちゃ
などが想像できます。想像できるので、それを欲するお客さまを集めやすくなります。
ネットショップを準備するにあたっては、「あなたの考えたコンセプト」と「利用者のニーズ・想像」が合致するように作り込んでいく必要があります。
ここに注意!
セレクトショップのように、「自分が好き」という共通点だけの色々な種類・テイストの商品を扱うネットショップは避けた方が無難でしょう。
「自分が好きな色々な種類・テイストの商品」というコンセプトは、「利用者のニーズ・想像」と合致するでしょうか?
実店舗なら、特に「ニーズ」もなく、ふらっと入って店内を見てみる人はいます。しかしネットショップは、「これが欲しい」という利用者のニーズが先行します。ニーズ・想像と合わなければ、すぐに次のお店を探し始めてしまうのです。
今、このタイミングで、あなたが開設したいネットショップの「コンセプト」を考えるべきです。後で変えられるので「今のところ」でも構いませんが、ブレないように明確に決めておきましょう!
さらに詳しく!
仕入れについては、コンセプトや仕入れ用webサイトにより大きく変わるので、今回の記事では割愛します。
2-2. インターネット回線を用意する
ネットショップを開設するならば、当然ながらインターネット回線は必須です。
通信速度が遅いと作業効率が低下し、モチベーションも低下しますので、サクサク動く快適な回線を選択しましょう。
2-3. ネットショップを開設する
インターネット環境が整ったら、ネットショップを開設しましょう。ネットショップを作る方法は、大きく分けて2通りあります。
- ネットショップを簡単に開設できるシステム(サービス)を利用する
- レンタルサーバを借りて、自分で1から作り上げる(例:WordPress+「ショッピングカート」プラグイン)
ネットショップのシステムは、アカウントを作成すれば簡単に開設することができます。有名なサービスは、
- BASE
- STORES.jp
- FC2カート
- ショップサーブ
- ワイズカート
- カラーミーショップ
などがあります。基本利用料の有無や手数料、デザインテンプレートの種類など、サービスにより違いますので、比較検討してみてください。特に、今後ある程度の期間、使い続けるので使い勝手(操作のしやすさ)が重要です。
もう1つは、レンタルサーバを借りて作り上げる方法ですが、サーバの準備、ドメイン取得、WordPressのインストール、プラグインの設定など、こちらは少し準備に時間がかかります。
サーバーレンタルやドメイン取得に関しては、本サイトの別記事でやり方を解説していますのでそちらを参考にしてください。
WordPressのインストール、ショッピングカートプラグインの導入・設定については、現在執筆中です。執筆できたら公開します。
2-4. 広告・宣伝を行う
ネットショップが完成したら広告・宣伝を行い、集客しましょう。

このような言葉をよく耳にしますが、大きな勘違いです。開設しただけでは、あなたのネットショップにたどり着く手段がありません。
開設しただけのネットショップは言うなれば、孤島なのです。
どんなに良い物を揃えていても、この孤島を知る手段が無ければ、そもそも「無い」も同然です。
ネットショップを開設したら、この孤島に来てもらうために宣伝を行いましょう。大きく分けると以下の3つの方法があります。
- 検索上位に表示させる(SEO)
- SNSで発信する
- 広告を出す
この3つを簡単に比較してみましょう。
SEO | SNS | 広告 | |
方法 | ブログを公開する | 写真、文章、ハッシュタグで投稿する | Google、facebookなどに広告を出稿する |
即効性 | × | 〇 | ◎ |
効果の持続 | ◎ | △ | × |
手間 | 量と質が求められるので、けっこう大変 | 質が求められ、ある程度の量も必要で、まぁまぁ大変 | 質が求められるが、量はブログ2~3記事分でもOK |
費用 | 無料 | 無料 | 有料 |
2-4-1. SEOについて
「SEO」は「検索エンジン最適化」と訳しますが、簡単に言えばGoogle検索で上位に表示させるように対策を行うことです。
さきほどの「北欧のおもちゃ」を例にすれば、
- たくさんの「北欧のおもちゃ」に関する記事を書く
- 「北欧のおもちゃ」関連が検索された時に上位に表示されるようになる
- 記事から張ったリンクで購入ページに飛ばす
- 購入につなげる
という流れを作ります。効果が出るまでに時間がかかりますので、気長に記事を書き続けましょう。
2-4-2. SNSについて
インスタで「#北欧のおもちゃ」というハッシュタグがあり、それっぽいものを探してみました。
この投稿はインターネットビジネスラボとは無関係の方の投稿ですが、例えばこのような写真を載せ、キャプションにおすすめポイントを書き、商品ページにリンクが張られていたら、商品ページを見てくれる人がいるかもしれません。
インスタに限らず、twitter、facebookページ、LINEタイムラインなど、たくさんのSNSがありますので、まずはどれかに絞って挑戦してみましょう。(あれもこれもやると、途中で辛くなります。)
さらに詳しく!
日々、こうした投稿をしていると「反響の大きい投稿」と「そうでもない投稿」が出てきます。「反響の大きい投稿」は、文の書き方や写真の撮り方など、何かしら反響が大きい要因があるはずです。
その要因を自分なりに見つけて、次の投稿に反映させてみましょう。
2-4-3. 広告について
Googleで何かを検索した時に、上部に「広告」と書いてあるのを見たことがありませんか?
この画像は「プログラミング」で検索した時の広告例です。あなたも、このように広告を出すことができます。
例えば『「北欧のおもちゃ」で検索されたら広告を出す』という設定が可能です。興味があって検索しているので、その人のニーズを満たせれば購入につながるはずです。
広告は短期で成果を上げられる可能性がある反面、売上より先に経費(広告費)が発生するため注意が必要です。「広告がクリックされてネットショップに誘導はできるけど、全然売れない」という最悪の状況もあり得ます。
さらに詳しく!
「広告がクリックされてネットショップに誘導はできるけど、全然売れない」という状況は、ネットショップに課題があります。何か、購入につながらない理由があるはずです。
例えば、
- 写真や文章など、購入意欲を刺激していない
- あなたが(あなたのネットショップが)信頼されていない
- 広告内容とネットショップに乖離がある(がっかりされる)
など、書き出せばキリがありませんが、こうした原因を1つ1つ潰していくことで、「売れるネットショップ」ができあがっていくのです。
広告を使う場合は「月の予算を決めること」と、「2-4-1. SEOについて」に書いた記事を平行して行うことを強くおすすめします。
3. まとめ
実店舗とネットショップの比較、ネットショップの開設と運営方法についてまとめました。
大事なのは、ネットショップは開設しただけでは成功しません。日本全国、世界にだって情報発信ができると言えるものの、開設するだけでは誰にも知られません。誰も来てくれません。
あなたのネットショップにたどり着くための導線を準備する必要があります。SEOやSNS、広告などいくつか手段がありますので、メリットやデメリットを把握したうえで、複合的に実施しましょう!